精神障害を隠す?
いきなりですが、精神障害を隠して就職活動をしたらどうなるでしょうか?
だいたいご想像通り、人間関係でストレスがたまり行き詰まって、また転退職を繰り返してしまうでしょう。
バレたら解雇される?バレそうになったら自分から辞めていく…。
理解のないところで働いても、自分の傷が増えるだけです。
素直に“しんどい”と相談できる人が身近にどれだけいますか?
私は、いつも隠そう隠そう(隠す=良く見せよう)としていましたが、苦しくなるばかり。
妻子をもちながらも絶望的状況に囲まれ、どうしようもなくなったとき、
ふと「もう無理だ」と、心のなかにあったプライドという名の鎧を脱ぎました。
“自分との戦いを辞めたとき”に、いままでにない“素”の自分が現れ、気が楽になりました。
病気を抱えながらも必死で健常者に追い付こう・ハンデを克服しようと人一倍努力をしてきたつもりでしたが、このとき、確かに自分のなかの障害(仕事が続かないなど)を認め受け入れたのだと思います。
それはありのままの自分をみつめる大事な心の作業だったのではないかと思います。
しかし、ありのままの自分を受け入れる(事実を認める、現実を認識する)ことで、再び立ち上がる勇気をもつことができました。
思いきって障害者手帳を取得し、ハローワークで就職困難者として専門援助部門で手帳をみせたとき、思いもよらず配慮(制度的な恩恵)を頂いて、ホッとした気持ちになれたのを昨日のように思い出します。
そして、偶然にもJSNの存在を専門援助部門が教えてくれたことがきっかけで、「精神障害者として、就労支援を受けるしかない」と心に決めたのでした。
ただ、本気で就労を支援してくれるのか一抹の不安はありました。
というのも、就労支援をうたいながら、のらりくらりと当事者の声を“うまくかわす”ことを専門に仕事をしている就労支援の現場をたくさんみてきたからでした。
“あの人は就職は難しい”“余計な仕事はもってこないで”と職員がハナから決めつけて当事者を囲い込み、既得権益に満足するトップの姿をみてきたのです。
“本当に就職できるのか?”という不安は、結局、就職が決まるまでつきまといましたが、スタッフの粘り強い支援のおかげでなんとか就職。次の4月で3年を迎えることができます。
もしあのとき、“隠し”続けていたらと思うとゾッとします。。。